芸術学科研究室イ・ヘリム助手の個展「ユンスル:陰影」が名古屋で開催されます。
展示情報
「ユンスル:陰影」
一般公開期間(全日作家在廊):
2025年5月9日[金]-5月11日[日]
12:00~18:00
会場:
Lights gallery(愛知県名古屋市西区那古野1丁目11−4)
主催:
Lights gallery
蒲郡と名古屋の2ヶ所で開催いたします「ユンスル」展の後期展示のお知らせです。蒲郡での展示に引き続き、「ユンスル」をテーマとした作品群をlights galleryで発表いたします。
韓国語の「윤슬(ユンスル)」は、水面に光が触れたとき、揺らぎの中に現れる微細な煌めきを意味します。一瞬ごとに形を変え、天気や時間帯によって、周辺をまるで違う風景に変えるユンスルは、陰影のもつ曖昧さとも響き合うと思います。どちらも光に依存しながら、光そのものではなく、光と物質、空気、距離の間で生まれる「見えるものの、触れはできない」ものです。本展ではその特徴からなる立体作品と平面作品を展示いたします。
私はこれまで、「時間」と「記憶」という、目には見えないけれど確かに私たちの中に存在するものをテー マに、自分で漉いた紙を用いて作品を制作してきましたが、「今」という瞬間のかけがえのなさ、そして記 憶の不確かさや重なりが、とくにユンスルや陰影の儚さと深く通じるものがあると感じました。今回の作品では、光を受ける素材の表情や、透け、重なり、そしてそこに生まれる陰影の変化を通して、私が制作を続 ける中で最も大切にしていること、つまり「今、この瞬間にしか存在しない」ものをかたちにすることを試みました。
いつからか、人に「美しい」と思わせる風景を創ること、絶えず身体を動かし生きる意味を探り日常を営み、 自分の中にいる「原風景」を可視化することが私が美術家として制作を続ける意味であり理由であることを悟りました。今回の展示はその感覚を意識して作った作品を発表する、私にとってとても大事な機会です。「美しい」は人それぞれかもしれませんが、私の中にある「美しい」を見出すとても貴重な経験をさせていただきました。この場を借りて展示の機会を与えてくださったLights galleryの鈴木様に感謝を申し上げます。
イヘリム LEE Hyelim
1992年 韓国ソウル生まれ
2024年 多摩美術大学 大学院 美術研究科 博士後期課程 修了、博士号(美術)取得
現在、多摩美術大学 芸術学科研究室 助手
来日した2018年に「紙漉き」に触れ、原料加工から紙漉きまで全ての工程を自身で行い、主に紙の作品を 制作する。
最近は、都市開発により居住地の周辺に激しい変化が起こることをきっかけに、見えないものや 消えてしまったり忘られたりするものやことに注目し、それらを紙という素材と、紙を漉くという行為を通じて表現する。